gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

夜光のような輝き 1

scene1


気がつけば、また一人で長いトンネルを歩いている

自分の限界を超えることだけを考えて、

暗闇の中、一点を見つめて歩き続ける

 


scene2


そうすれば、前方に上から微かな光が降り注ぐのが見えてくる

 


scene3


近づくと、その光が下方に深い陰をつくる

月の塊が自分を待つ

 


scene4


暗闇は続いている

月は低く浮いて、重くのしかかる

 


scene5


押しつぶされる恐怖と闘いながら、月の下を歩く

それでも前へ進めば、いつの間にか目は爛爛として

壮麗なる蛇の幾千万の鱗が月夜に照らされるように

全身から夜光のような輝きを放ち始める

その姿は、崇高であり、怪異でもあるという矛盾のために

人々に直視することを許さず、同時に目をそむけることを許さない

 


scene6


光の世界へ

地鳴りのような歓声が聴こえる

 

・・・・・