scene1
気がつけば、また一人で長いトンネルを歩いている
自分の限界を超えることだけを考えて、
暗闇の中、一点を見つめて歩き続ける
scene2
そうすれば、前方に上から微かな光が降り注ぐのが見えてくる
scene3
近づくと、その光が下方に深い陰をつくる
月の塊が自分を待つ
scene4
暗闇は続いている
月は低く浮いて、重くのしかかる
scene5
押しつぶされる恐怖と闘いながら、月の下を歩く
それでも前へ進めば、いつの間にか目は爛爛として
壮麗なる蛇の幾千万の鱗が月夜に照らされるように
全身から夜光のような輝きを放ち始める
その姿は、崇高であり、怪異でもあるという矛盾のために
人々に直視することを許さず、同時に目をそむけることを許さない
scene6
光の世界へ
地鳴りのような歓声が聴こえる
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