gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

less is more 追記

Less is more とは、20世紀の3大建築家と呼ばれる中の一人、Mies van der Roheが唱えた言葉だ。

 

この逆説的表現は、その時代まで在った「建築には装飾がなければならない」という常識を覆すには十分な効果を発揮した。

 

柱と梁だけによってつくられる均質な構造体は、その内部にあらゆる機能を許容した。その機能についての多様性が、グローバリズムの推進に大いに役立ったのである。

 

ぼくらの住む地球は、退屈だけれども、みんな中流階級でいられる社会に落ち着くはずだった。ぬるま湯に浸かりながら、「つまらない」と叫んでいた80年代。

 

しかし、結果は逆になった。グローバリズムは世界資本主義を推し進め、その結果として、今日、貧富の差は拡大している。人間を大きな機械を動かすための「とりかえのきく部品」とみなし、各個人の単独性一切を削ぎ落してきたからだ。

 

だが、今、テクノロジーの発達によって、「とりかえのきく部品」としての人間はむしろ不要になってきている。新しいものを生み出す力こそが、今、人間に求められている。

 

そのために必要なものは、各個人が今まで削ぎ落された各個人の単独性ではないか?