「はかなさ」 消えやすく長続きしないこと
「せつなさ」 胸が締め付けられるような悲しさや、つらさのこと
ぼくらは皆、時の経過にともなって何かを失いながら生きている。でも同時に、失うことや失う兆候・予感に対して、美しさを感じる心を持っている。
美を感受する心とは、「はかなさ」や「せつなさ」というぼくらの生まれながらに制約を受けた、右下がりの事象に対する心象風景へ、まるで代償のように与えられたものではないか。
誕生、成長、上昇の「喜び」は、それ単体ではなく、上記のような逆の位相を持つ事象に目を背けず、対として捉えられたときに、より大きく、深く湧き起こる。
遠くを見つめるような微笑みをともなって。
そのように「喜び」を手にしていく人たちが、これからの社会をリードしていく会社であってほしいと願い、空間に想いを込める。
永遠でありたいと願って、「はかなさ」や「せつなさ」と向き合いつつ、生きる。
less is more を、ぼくはこのような新しい意味で捉える。