1989年。デンマーク。
生きていくのは楽ではない。
それが北欧デンマークの美しい背景のもとにある生活だったとしても、そのつらさは自分の体に入り込んでくる。
スウェーデンの貧困生活から逃げて、船に乗ってデンマークへ新天地を求めてやってきた親子ラッセとペレ。しかし、求めるような職はなく、農園で安い給料で働くことになる。
年を取った父親ラッセは、日曜日に妻がベットへ運んできてくれる一杯のコーヒーが夢だが、このささやかな夢も実現は遠いところにある。
少年ペレは、アメリカへ移住する夢を持つ男エリックと一緒に2年後に農園を出ることを決意する。
やがて、エリックも事故で廃人になり、どこかへ連れていかれてしまうのを見て、ペレは、一人で旅立つ。
人間らしい生活をギリギリのところで支えるのは、未来への希望だ。
あきらめたとき、人間ではなくなる。