2004年。フランス、ベルギー、グルジア。
グルジアに暮らすエカおばあさんは、新しい生活を求めてパリへ旅立った息子オタールから届く便りを愉しみに待っている。母エカから自分に注がれる愛情が足りないことに不満な娘マリーナ。そして、いつも堪能なフランス語でオタールからの手紙を読み聞かせる孫娘アダ。
エカが留守のある日、マリーナとアダはオタールが工事現場の足場から落ちて亡くなったという電話を受ける。マリーナとアダは、エカを悲しませないように時折届くオタールからの手紙をねつ造し、エカに読み聞かせるようになる・・・。
年老いた肉親を悲しませないように、というやさしさと強さを、おばあさんのやさしさと強さは遥かに凌駕する。
脈々と続いていく命のリレーは、こうしてこの星の未来を切り拓いてきた。
ギリギリのところで、でも、しっかりとこの星を守ってきた。