ケの空間には、常連がたくさん来るし、新しい客もなんとなく入り込む。
そこに、インパクトはいらないかもしれない。
ぼくが常連になった京都の白樺は最初行ったときにドアを開けるのをずいぶん悩んだ。
つまり、そのくらい入りにくかった。
けれど、勇気を出して中に入ったら、親密な空気でぼくを迎え入れてくれた。
バーの常連とはこんなパターンだと思う。
入りにくいほど、もしくは、見つけた、という感じがないと常連になろうという気持ちにならない。
テレビ取材など受けてしまったら、もう最悪だ。
では、カフェの常連はどうだろう?
入りやすさはあった方がいいかもしれない。
でも、風景に魅かれるからで、決して一般的にみんなが同じ印象を抱くのがよいのではない。
風景とは、個人の内面を投影したものだ。
もちろん、中に入れば、親密な空気が必要だ、と思う。
常連になるとすれば、バーも、カフェも、なんでも、「人」が重要だ。