友人のお兄さんは、中学生の頃、彼のクラスに10人の生徒が先生を殴りにやってきたのを止めに入り、その後、そのボスに呼び出され、タイマンを張ることになり、制服はボロボロに破け、右手の甲を骨折したそうだ。
そのような勇気がある行動は、一般に、大人になったらできるような類いのものではない。
臆病は、年を重ねることで克服できるものではないらしい。
昔はどうだったのだろう?
例えば、武士は、修業によってそれを克服できたのだろうか?
たぶん、多くの人間にとって、昔も今とさほど変わらなかったのではないか、と思う。
勇気を育てることは、重要だ。
人間は、時に、大勢を敵に回さねばならないことだってあるし、権力と闘わなければならないこともあるだろう。
そのような人間が増えなければ、社会はよい方向へ変わらないのかもしれない。
だが、ぼく自身に、勇気があるか、と聞かれれば、自信を持って「そうだ」とは言えない。