アイディアは突然降ってくる。寝ているときも含めて、あらゆる瞬間にその可能性がある。
それまで長い時間考え続けた後であることもあるし、クライアントにお話を伺った瞬間に降ってくることもある。
それを捕まえることに失敗すると、またゼロに戻ってしまう。
だから、ぼんやりとしたアイディアが浮かぶと、一呼吸おいて、それが壊れないように、一度そうっと手放す。
それを包み込んだ感覚を忘れないように心に刻む。
ここまでやって、何かが残っていれば、ぼんやりとしたものから少しずつ明確にしていくことができる。
そして、どんなアイディアも、かたちにする途中で変化していく。
まるでアイディア自体が生きているようで、自分から出てきているのかどうかもよく分からない。
だから、どのプロジェクトも別の時間に来ていたら、決して同じ結果にはならないという確信がある。
その「一回性」というものに魅かれて、この仕事に没頭しているのだ。