「乃木神社の前で、陽向の病気が治りますように、ってお祈りして行くからね。」
そう言ってインフルエンザで学校を休んでいる陽向を残して家を出る。
そして、乃木神社の前で立ち止まり、お祈りをしてみる。耳を澄ます。
なんとなく、明日の朝は治っている、というイメージを得る。
家に帰って、陽向に「乃木神社でお祈りしたら、いい子にしてれば、明日の朝には治ってる、って言ってくれたよ」と伝える。
「うそでしょ」陽向が言う。
「いや、声は聞こえないけど、そう感じたよ」正直に言う。
「だから、早く寝ないとだめだよ」
果たして、次の朝、陽向は元気になっていた。
素直に早く寝ようと努めた陽向に目を細める。