gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

表情

ぼくが柔道を始めたのは小2の今の季節だった。

佐賀県鳥栖市の警察署3階に道場はあった。一度目は親に連れて行ってもらったが、二度目からは1人でバスで通う。

3階へ上るのはコンクリートの外階段で、上り口にチョークでらくがきがあったのを憶えている。

「どうしよう 3かい」

誰が書いたのか知らないが、らくがきはそのまま、ぼくの気持ちを表していた。

格闘技。強くなれるだろうか。

不安を抱えながら、3階への階段を上る。

ぼくは、きっと引き締まった表情をしていただろう。

先ごろ、空手を始めた陽向の練習している顔を外から見ながら、そう振り返る。


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