「このところ、巷では何年も同じようなお店がつくられ続けていますよね。」
・・・とおっしゃる商業空間雑誌の記者さんはその理由を次のように分析する。
「カタログから手に入るものが充実したからじゃないかと思うんです。デザイナーのつくりたいものがカタログから手に入ってしまうんですよ。」
以前は、デザイナーは自分がつくりたいものは、一からつくるしかなかった。でも、だからこそ、そこにしかない店がたくさんつくられたのだ、と。
そうか、カタログから手に入るものはそんなに充実しているのか・・・、と感心しているぼくたちは、当然のように、自分がつくりたいものは、一からつくり続けている。
ぼくたちには、工場がある。カタログで選ぶよりも、つくった方が早いものがたくさんあるのだから、そこにしかない店しかつくれない。