1997年。アメリカ。
外からはなんの問題もない幸せな家庭が、もろく崩れていく様態を描く。
近所づきあいの中に、性の問題が入り込むと、関係は泥沼化するだろう、と直感できる。
「岸辺のアルバム」との類似性がよく指摘されるそうだが、あれは一家族の問題であって、ご近所全体で崩壊していく話ではなかった。
犠牲として投げ出されるものも、その崩壊ぶりに比例するようで、「岸辺のアルバム」では洪水で家が流されたけれど、この映画ではアイスストームの中、一少年が命を落としてしまう。
ああ、ぼくらはなんてバカな時間を過ごしていたのだろう!などと、親たちが嘆いても、きっと時が経てば同じことを繰り返してしまうのだろう。
かけがえのないものは、同時に、ある意味ではなんの役にも立たぬものだから、・・・ぼくらは両極を行ったり来たりして生きていくしかない愚かな生き物にも十分なりうるのだ。