gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 ロゼッタ

1999年。ベルギー。監督はダルデンヌ兄弟

ひたすら、まっとうに生きるために職を求め続けるロゼッタ。現在の悲惨な環境から抜け出すための、必死さが全身から伝わってくる。

ついに、唯一の味方である友人を裏切って、彼の仕事を我がものにする。

「人間」を自分の殻の奥に押し込めても、生きるためには手段を選ばない。

そんな彼女のはりつめた糸がぷつんと切れた瞬間、彼女はまっすぐに死へ向かう。

そこに迷いはない。

けれど、貧乏であるがゆえに、自殺すらスムーズにはいかない。

泣き崩れた後、初めて人間としての表情を見せる彼女をラストシーンの記憶として焼き付けて、映画は終わる。

やわらかさ。

人間とは、これなのか?


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