gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

闇市

闇市という言葉を聴くと、生命力という言葉が連想される。

実際に、どのようなものかは想像の中だけだが、決して嫌いではない響きがそこにある。

「戦後のどさくさ」と呼ばれる混沌の中で、法的手続きを経ることなく行われていた商行為は、知恵と力のぶつかり合いの中で成立したのだろう。

ぼくがその頃を生きたならば、どんな生活ぶりだったろう、と考えると、とてもその時代に向いているとは言いがたいが、それでも何かに熱中したにちがいない、と想像できる。

それでとんでもなく貧乏になったかもしれないが、そんな時代にタイムスリップできたならぜひ行ってみたい。

闇市の雰囲気を未だに感じさせる場所は、まだちらほら残っている。だが、危険だとか何とか言われて、完全に消えてしまうのは時間の問題だろう。

わざわざそこへ行って飲みたいとは思わないが、なくなったらなくなったで寂しさを感じてしまう。

きっと眠っている自分を、そこで見つけ出せるような気がするからだろう。


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