過去の船旅で、イルカの群れが船に寄ってきたことが数回ある。いずれも乗客は甲板に出て、はしゃいでいたのを思い出す。
イルカは、乗客に向かってサービスするかのように高く跳ねた。歓声が上がった。
イルカほど人なつっこい野生動物は他にいないだろう。
動物園へ行けば、ほとんどの動物は人間に対してそっぽを向いている。猿などは人間に反応することもあるが、いたずら好きな彼らは人なつっこいというのとは違うように思う。
そんなこともあって、イルカに悪い奴はいない、と思っている人間が多いように思われるが、それだけ知能があれば、悪いことをすることがあっても当たり前だ。
wikipediaによると、小さなイルカを集団でいじめて殺してしまったり、魚を食べる目的ではなく弄んだり、という行為が確認されているそうだ。
目を向けたくない不都合な事実は、すべての生物にある。生きている限りは、何者もポジティブなイメージのみには納まりきらない。