陽向は、1歳10カ月を過ぎた。
例えば、彼が椅子から降りようとするとき、一人でいるときは十分すぎるくらいに慎重に、後ろ向きになって片足ずつ降ろしている。
しかし、そのとき私が横にいると、椅子の上に立ち上って、私に向かって突然ダイブしてくる。
私がよそ見をしていたら大変なことになるが、彼はお構いなしだ。ただ、キャッキャッと笑っている。
陽向のちいさな肩幅を受け止めながら、「全幅の信頼」という言葉を思い出した。
本当の信頼とは、このように確認することなくダイブしても受け止めてもらえるくらいの信頼のことを言うのではないか。
彼の全幅の信頼に応えるべく、私は彼に寄り添っていこう。