中東では、チュニジア、エジプトに続いて、リビア、バーレーンなどに反政府デモが飛び火している。
反政府デモ。日本では、内閣の支持率がどんなに低迷しても、そんなものは起きない。決して。
中東の国民の不満は、独裁に対して、シーア派の弾圧に対して、などに対する、明確な悪のイメージを共有している。とにかく、今の現状を変えたい、という気持ちが強い。だから、政権を倒した後のイメージはほとんどないだろう。つまり、建設的ではなく、単に破壊的なのだ。
キューバ革命など、歴史が示しているように、現在の状況を破壊するときは、国民と一体感があるが、新しい国を建設する段階になると、まもなく国民は失望し、新しい政権に対しても敵視するようになる。
だが、破壊するまでは、大きな希望が反政府側の行動を支える。今後、中東の国々の人々が、今より少しでも幸せになることを祈る。イスラエルとの戦争などで、罪のない人々の血が流れないことを祈る。
日本では、もう誰も政治に期待をしていないように思える。大きな期待がないから、反政府デモは決して起きない。建設できないことが問題なのだから、破壊などありえない。
国民は国に対して怒っているが、では、どうしたらよいのかは、誰も知らない。政府は派手なことは何もしないでいてくれたらよい、と思う。そうして、与えられた自由の中で、個人で考えて行動することによって、個人の幸せをつかみ、総体として国が成り立ってくれたら、それが一番よい。