gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

アジェのパリ 大島 洋

「だらだらとした文章」と書いては失礼にあたるだろうが、まさにそこにリアリティが感じられて、いつのまにか、著者になり代わって重い写真集を抱えてパリを歩いている自分がいる。

20のころから始めた一人旅はこのような旅だった、という懐かしさもあるかもしれないが、それよりも読むということの意味が、今まで読んできたものとは決定的に違うから、それがうれしくて読むのではないだろうか。

実際、私はそれを読み終えていないが、読み終える必要性を感じていない。

おそらく最後まで「だらだらとした文章」が、延々と続いているだけである。

だが、その本を読んでいる限り、私の頭はイマジネーションを掻き立てられている。ときに退屈だったりするが、それが私たちのリアルな毎日なのだ。

こういう印象を私に与えること自体、この写真家について書いた写真家は表現者として優れているのではないか、という気にさせる。

大島 洋の写真を探してみよう。