人口問題と言えば、1979年から一人っ子政策を継続している中国のことが思い浮かぶ。
2020年代には中国の人口は16億人でピークに達し、その後、減少に転じると予測されているそうだ。
そもそも1979年以前の30年間は、人口を増やして、国力を高めようという政策をとっていたのだから、1979年は180度の転換が行われた年だといえる。
中国では、政策は徹底した強制力を持って実施される。
1979年の前は、避妊も中絶も禁止されていたそうだ。それでいて、国は産んだ後の責任は一切取らないのだから、貧しいのに子供はどんどん生まれ、そして、飢餓でどんどん死んでいったそうだ。それでも、全体の人口は急激に増えた。
そして、1979年、このままでは増えすぎた人口を賄いきれなくなるために、二人目の出産を禁じた。
農村では、労働力として期待できる男子を望み、女子と分かると中絶されるケースが増えた。現在、20歳以下の男女の人口比には大きな偏りが生じているという。
出産を為政者によってコントロールされる中国国民はあまりにもかわいそうだ。
死がそうであるように、出産は神聖な領域にあり、徹底して「人間的なもの」でなければならない、と信じる。