gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2018.8

二匹になったダンゴムシ

このタイトルは、陽向が勝手に書き込んだものだ。「おい、おい、人のブログのタイトルを勝手に決めるな!」と言ったけれど、記念に残しておこう。陽向はダンゴムシが好きで、柔道へ行った帰りに見つけたダンゴムシを袋をもらって持ち帰り、小さな瓶に土と餌…

死んでいる時間

陽向と学校へ向かうのは、相変わらずギリギリの時間だ。ランドセルを後ろから押しながら、「急げ、急げ」と歩く。陽向にとっては、なんとかやり過ごそうとする時間に過ぎなく、なくてもいい時間だ。いわば、死んでいる時間だ。生きているのに、もったいない…

見えない顔

地下鉄駅

陽向が夏休みの宿題に、地下鉄千代田線の乃木坂駅を描きたいと言ったので、一緒に絵の構図を考えた。。乃木坂駅は、1番線と2番線の間にホームがあるタイプだ。陽向は、1番線と2番線の電車、両方を描きたいという。そうなると、必然的に線路を奥行き方向に見…

風景としての顔

例えば、町を歩いているとき、ぼくは周囲の人を直視することはほとんどない。だから人は、ぼんやりとした輪郭として、ぼくの中で認識される。そこにぼくの想像が入り込んで、ほぼすべての人は美しい人として捉えられる。もう半世紀もぼくは、美しい人に囲ま…

バンジージャンプ

姪たちを街に連れて行ったら、イベントで20メートルの高さから飛ぶバンジージャンプをやっているのを見て、「飛びたい」という。「紐が切れたらこわい、とか考えないの?」と訊くと、「いや、ただ切れたら呪ってやる〜、と思うだけ」と応える。恐るべし。 …

小樽

小樽は、来てみたかった場所だった。古い倉庫が建ち並ぶにふさわしい、その名前の響きがよい。まさに北の町を連想させる。旧い建物群の壁のひびや汚れを、子供たちと探し回る。その果てに、待っていてくれたのは、乃木坂の家のすぐ近くにあったのに今年忽然…

北海道

新千歳空港から札幌への列車の窓から、眠い目が捉えた風景は、広い大地。寒い冬を何度も越えてきた木々たちがその上に平然として立っているのを見て、生きるとはそういうことだ、とうなづく。となりにいる陽向もいつか、そんな目で風景を見るときが来るんだ…

繰り返しの終わり

繰り返しを抜け出すことを切望して、ここまでやってきた。天に任せるしかない部分は、他人に何と言われようと手を出すつもりはない。自分がやるべきことをやる。その中で、繰り返しを抜け出す。きっと、その瞬間は、栓が抜けたような音がなるんだろう。 ← 創…

小さな命

たくさんの魚の不幸続きだった我が家の水槽に、稚魚が泳いでいるのを発見した。思いがけないことで、うれしい。なんだか部屋が明るくなったように感じた。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素…

文学

ざうお

パンチングメタル

ビジネスとプライベート

ビジネスとプライベートでの人格の違いは、誰もが認識している。けれど、「とりかえ自由な社会」と「とりかえのきかない社会」との境界は上記とは別のところにある。それを知ることが新しい世界を拓いていく、と信じる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン…

涙のタイムマシン

過去は未来でしか変えられねえ 絶叫が聴こえてきたのは、深夜のラジオからだ。youtubeで今日、ギターウルフというパンクバンドの歌だと知る。 ぼくは、このフレーズに力をもらった。 過去は未来で変えられる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッド…

終戦記念日

8月15日が終戦記念日であることを意識したことは、今まであっただろうか。テレビを見なくなって久しいから、音や画像で情報が入ってくることもほとんどなくなった。だが、年を重ねることが、この記念日への意識を向けることにつながるのだろう。日頃、ぼくた…

空間

他人の設計した空間の施工見積をとっている。設計した人の意識が見えてくる。それをどのようにこの空間で過ごす人の感動に結びつけるか?結局、この作業も設計である。通常の仕事も、クライアントの意識を読むことから始まる。基本設計から始めることと、違…

失われた命

水槽の中に、平和な世界が戻ってきた。それまでに、40個の命が様々な理由で失われたことになる。生き物を飼う、ということは、死を目の当たりにする、ということだ。この年になると、それぞれの命がずっしりと心に乗っかってくる。どんなに小さな体でも、そ…

縄張り

我が家の熱帯魚の水槽の中は、このところ、ゴールデンハニーのオスによるファシズム政権で、他の小魚たちが震えあがっている状態が続いていた。最初20匹くらいで始まった水槽生活では、目立った争いもなく平和に暮らしているように見えたが、その後、水の汚…

映画 ミッション

1986年。イギリス。1750年頃の南米。スペイン植民地下の南米・パラナ川上流域(現在のパラグアイ付近)を舞台に、先住民グアラニー族へのキリスト教布教に従事するイエズス会宣教師たちの生き様、彼らの理想と植民地社会の現実の矛盾を描く。「とり…

遠くの風景

ぼくには関係のない世界として見えていた遠くの風景が、すぐ近くにかけがえのない世界として感じられることの驚き。(つづく)

21年目のこれから

久しぶりの全体ミーティング。グリッドフレームのこれからを9人のスタッフで話し合った。実は、一人欠けている。004は、今日が出産の日。みんなで無事を、そして、大きな幸福を祈る。この10人を乗せて、グリッドフレームという船の進路を思い描く。ゴール…

大企業

ぼくは、グリッドフレームを立ち上げる前に、ある大企業に属していた。グリッドフレームの原案をアメリカの大学から持ち帰った私は、企業内で研究の成果を活かそうと、たくさんの会社の先輩たちにプレゼンした。それぞれによく耳を傾けてくださったことに感…

スペインの風景

スペインでは車を洗わない、と聞いたのはもう30年前のことだホコリ被った車が、車体をガタガタ揺らしながら、狭い石畳を走るそれが、浮かんだ最初のスペインの風景だ 同じころ、「車は走るためのもので、洗うものではない」という飲み屋の常連の言葉にうなづ…

目的と手段

人を目的として見るか、手段として見るか。もちろん、その両方で見て生きるのが現実だが、目的として見ることの割合が大きいほど、幸福感は大きい。世界を目的として見るか、手段として見るか。目的を見いだせたことこそが大きな幸福だ。 ← 創造性の連鎖でつ…

アクシデント

何かをつくるうえで、アクシデントにぶつかるのは、不運であると同時に、幸運だ。積極的に、その効果を吟味する。それが、なるの空間を成立させるきっかけになる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリ…

隙があること

隙をつくることで、世界は固定されなくなる。境界があいまいになり、たとえば、シリアスな世界に笑いが混じり込む。1970年代に流行った歌を聴くと、暗い曲は、単に暗いものが多い。他の空気が入り込む余地がない。だが、時代はだんだん隙をつくることを学び…

とりかえ自由な世界ととりかえのきかない世界

この二つの世界の境界がどこにあるのか、を正確に知ることは容易ではない。また、大事なことは、人は、常にどちらの世界にも属しているし、そのバランスをとることがうまい人が居心地よく生きていける人だ、という事実だ。世界をどちらかに固定しないことが…

GRIDFRAME 21年目のこれから その5

5.GRIDFRAMEの空間へ今後、これまで書いてきたことを、全員が自覚的につくる作業に取り組んでいく 個人的には、スペインで経験したMirallesやBofilの空間にヒントがあるように思われるが、 今後、GRIDFRAMEの空間の独自性を強めていきたいと思っているこれ…

GRIDFRAME 21年目のこれから その4

3.方法①フレーミング フレーミングとは、ひとつの空間の中に、 とりかえ自由な要素と、とりかえのきかない要素を共存させる方法であるとりかえ自由な要素でつくられた空間に、 例えば、SOTOCHIKUの壁のようなとりかえのきかない要素を持ち込むとき、 フレ…