gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2017.8

壁を削り取る

浅草シルクプリンで知られる華商の新しい工場に付属するキッチンスタジオをつくらせていただいている。その壁に、華商が長年プリンをつくり続けてきた工場の壁のタイルを移設するために、タイルを削り取る作業をしてきた。SOTOCHIKUプロジェクトの始まりだ。…

黒猫

その滑らかに黒光りする肢体とやわらかで俊敏な動き。黒猫の存在を感じさせるなら、狭い空間がよい。そこを抜けるとパッと存在感が消える方がよい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材によ…

大きな数への実感

35億年前に地球が誕生したという。そして、15億年前にオスとメスがつくられたという。そんな大きな数字を、実感するにはどうすればいいだろう。自分の一生の時間で、どのくらいの数字を体験できるだろうか、と考えてみる。たとえば、1日は86400秒。ひと月を3…

静かな祭り

静かな祭り ~「内側世界」と「外側世界」の境界として~ 人は社会に出て働き始めるまでは、 自分の内側から世界を見て それぞれの理想を描いて社会の戸を叩くそして、働き始めてすぐ、 外側にあった現実の壁にぶつかったとき、 自分の内側からくる世界観が 自…

映画 七夜待

2008年。河荑直美監督。タイを旅行する長谷川京子演じる日本女性が、小さな村に連れていかれる。タイはぼくが20歳のときに、よい旅をさせてもらった国だ。そのときが昨日のように思い出された。リアルとはつまり、こんな変な経験だよな、と映画を見て納…

闘う顔

糸井重里が子供の頃、小学校の先生が、跳び箱を真剣に飛ぼうとしない女子たちを、跳び箱の後ろに立たせて、「跳び箱を飛ぶ男子たちの顔を見なさい」と言ったそうだ。そして、「ほら、男子たちは変な顔をしているでしょう」と。一生懸命に飛ぼうとして、顔を…

親と子

言葉の上では、親子の関係に先行して、親分・子分の関係があったと言われる。この事実だけでも、血のつながりは越えられる問題なのかもしれない、と勇気づけられる。風景が一気に広がる感覚を得る。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ←…

地味に強い

ぼくは「地味に強い」って言われるんだよ。陽向が、学童クラブで流行っているマンカラについて語る。「地味に強い」って、なかなか良い言葉だ。ぼくも地味に強い人になりたい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しなが…

どうすることもできない

漱石がどうすることもできない人間の姿を描いたのは、彼の内から出てくるものを文章にした抒情詩的な作品ではもはや表現しえない世界を、彼が見出していたからだ。それらの作品は、彼が生きている現実の重量に匹敵しえない。そのような変化が漱石にも、柳田…

別世界

入ったら別世界、という空間の例として、代表的なものはディズニーランドだろう。現実を忘れて楽しめる場所。そんな世界を必要としている人は多いのだろう。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル…

俗的であること

俗的な人生をわざわざ選ぶということがあるのだろうか? ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場

映画 ウルフ・オブ・ウォールストリート

2013年。マーティン・スコセッシ監督。株式仲介会社の経営者だったジョーダン・ベルフォートのハチャメチャな人生。金を儲けたいという欲望はどこにもたどり着かないのだということに、改めて納得。儲ける手段を生み出すことに愉しみはあるのだ。壮大な…

隅田川から海へ出る水上バスに乗る。淡水から海水へ。ぼくが個人的にその風景が好きなのは、潮位の変化によって生じる風化の跡を見られるからだ。藤壺の付いた岸壁に、「自由」を感じる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで…

映画 朱花の月

2011年。河瀬直美監督。 藤原京の発掘現場の映像に、海の音が重なる。海の波は、月を想起させ、月は女性を象徴する。 万葉の昔から、二人の男は一人の女を取り合ってきた。古都・奈良を舞台に、それが今も日常であることを示す物語が描かれる。 「何もし…

歴史

ぼくたちはどこから来たのか?その関心が、のっぴきならないレベルまで高まってきた。歴史の本を突然読みたくなった。知らないことが多すぎるのだ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材によ…

あざとさ

意図的であることが見える。最近、それを「あざとさ」と呼んで、否定する気持ちが強まっている。もちろん、意図がなければ物はつくることができないが、必然と思われるものだけでつくっていく。デザインを必然まで高める、ということだ。必然に至っていない…

SOTOCHIKU 3

浅草・華商のキッチンスタジオの壁をスタッフが検討している。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場

SOTOCHIKU 2

あなたの町の、公共施設や商空間に歴史を吹き込むあなたの町に点在する、古くて、時代に取り残されたように見える、名もなき土木構造物、建物、塀、看板…。それらは、ただ朽ち果てて、価値を失い、新しくつくりかえられることを求めているのでしょうか。風雨…

古民家

古民家など、物件に歴史がある場合は、その空間がどのように人と関わって来たのかを想像してみることが大事だと思っています。お店の空間が、事業を後押しするということは、その空間に事業に関連したストーリーを感じ取れるということではないか、と思って…

映画 永遠と一日

1998年。イタリア・フランス・ギリシャ合作。テオ・アンゲロプロス監督。難民の子供と年老いた詩人の友情。死の近さに関していえば、二人は同じところにいる。そして、言葉を買う詩人ソロモスのように、母国にいようといまいと、彼らは亡命人なのだ。彷…

ハーフの男

ハーフの女性はモテるが、ハーフの男性はそうでもないらしい。自分の好みを考えても、なんとなく分かる気がする。一般にハーフは、はっきりした顔立ちをしていて、整っている、という印象がある。そして、エキゾチックな感じを程よく漂わせている。女性は大…

成長痛

「成長痛」と人に言われる状況にある。からだのことではない。会社のことだ。会社の方向性、来る仕事、スタッフの気概、どれも理想に近づいている。今後の見通しも明るい。けれど、足は思うように動かない。少年の頃の成長痛も、そのころ没頭していた柔道に…

声の立体性

声が立体的に響き渡るような歌唱は目を覚ましてくれる。今ここにいる空間の部分の空気を次々に動かしてくれて、やがて全体の空気が動き、そして鎮まる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材…

非鉄金属

SOTOCHIKUと名付けたプロジェクトを推進する中で、風化した材料を手に入れる先を探している。そんな中で、鉄以外の金属の風化の面白さを再認識している。スズ、亜鉛、真鍮、銅、どれも面白い。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレー…

夕立

近頃は、毎日のように夕立がある。夏の最盛期、ということだが、夕立の後の涼しさが好きだ。その時間、外に出る仕事だったらつらいが、一年の中でも好きな季節だといえる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつ…

ピース

これまでの仕事の中で、どうしてもぼくらの会社がパズルのピースとしてはまらない、という違和感を感じることが多かった。そのような仕事は、結局実現することがない。今、来ている仕事はこれまでになかった類のものが多いけれど、ピースにはまる感覚がある…

不動産会社

社会の幸福を真剣に願う不動産会社があったら、世の中は変わるだろう、と思う。それくらい、ぼくの不動産会社一般に対する印象はよくない。個人としては良い人にもたくさん出会ってきたにもかかわらず、である。世の中の不動産の価値が、今のところ、ぼくら…

大量

大量に同じものをつくる、というプロジェクトに、どのようにぼくらの価値を反映させる方法があるのか?アジアでの生産も念頭に置いたとして、何ができるのか? ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナ…

条件

設計条件は様々でも、ぼくらがやることに何らかの意義があることにぼくはこだわる。それを望まれてないと感じたとしても、良くなると信じたことは、必ずやる。少なくとも、誰もそれを嫌がりはしない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム…

母の誕生日

今日は、熊本から訪ねてくれている母の、喜寿の誕生日。ぼくらがつくらせていただいたレストランで姉の家族とともに祝う。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリア…