gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2015.12

空とつながる

神社で手を合わせるとき、何を願うか。ひとつひとつの願い事ではなく、「空とつながりたい」という思いひとつで、背筋を伸ばして立つ。神社とは、この空間にいながら別の空間と次元を高めてつながる、という感覚を持てる場所のひとつだと思う。 ← 創造性の連…

ガラス板に押さえつけられる大根

森敦の『意味の変容』の中に、畑に植えられた一本の大根の葉の上に男が四角いガラス板を載せ、その四方に鉛のおもりを置いて、低速度カメラで撮影する、という場面が出てくる。大根は、この不当な圧迫に憤り、ガラス板をはねのけるべく闘い、ついにはガラス…

どのようなプロジェクトも、結局のところ大事なのは「人」である。昨日は、まぶしい光とさわやかな風を感じられるような人に出会った。それがどこからくるものなのか、正確には分からないけれど、きっと言葉にはならない深いところに核をしっかりと持ってい…

短歌

虹 土葬された金魚は見ているか地中に埋まるもう半輪 木下龍也さんという27歳が書かれたものだそうだ。短歌が空間イメージを喚起する力。いろんな歌を探してみたいと思う。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつ…

他人に期待すること

周囲を生かす、とは、つまり、「他人に期待をする」ということだと思う。どれだけ、他人を信じて任すことができるか? ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス…

自然の中へ

月に一度くらいは自然の中へ分け入ってみたい、という欲求が出てきた。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場← 未来の町並みをつくるファサードデザ…

overflow

源流に湧いた水は やがて、 その溜まりからゆっくりと溢れ出て 静かに次の溜まりへと向かう それを繰り返すたびに いつか広大な面積の溜まりを満たすだろう 溜まりは、その水面の鏡に 移り変わる多様な空の表情を映し出す ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイ…

サンタクロース

陽向は、ようやくサンタクロースという存在に興味を持ち始めた。今のところ、彼にとって、サンタは実在しているのか、おとぎ話ということになっているのか、分からない。きっと、ぼくが子供の頃と同じように、楽しい方を選ぶだろう。 ← 創造性の連鎖でつくる…

「書く」と「描く」

今の陽向には、書くことと描くことの区別がない。字を書いているようでもあるし、絵を描いているようでもある。まだコントロールができていない、だからこそ自由ともいえる線が、紙の上に広がる。かいているとき、何を楽しいと思えるかで、今後の線がかわっ…

地下の流れ

細く伸びた根先が地中の水を吸収し、 止まっていた水は流れとなり、 重力に逆らって地上へと向かう そっと耳を澄ませば、 水の音がきこえるはずだ やがては地上へ出て 茎をのぼって そのてっぺんに やさしい花を咲かせるだろう ← 創造性の連鎖でつくる店舗デ…

under construction

朝の光の中 まだ人影がまばらな路地を ビルを縫うように滑っていく こんなときの気持ちを ぼくはきみへ ありのままに伝えられるだろうか 伝えきれないものを伝えるために ぼくは、なにかをつくる まるで語るように、 見えにくいものを見ようとして、 なにか…

凄み

自分の全存在を賭けて何かをなす人の衝迫を感じられたとき、ぼくらはそれを「凄み」と呼ぶのではないか? ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場← 未…

パキスタン航空

1985年。Sさんによると、パキスタン航空の成田発北京経由カラチ行きの便は、K2のすぐ上を飛び越えていく絶景を見られる便として、世界の旅行者に有名だったらしい。ぼくは、何も知らずにその便に乗り、アフリカへ向かった。そのような幸運については、…

星の銀貨

貧しい少女は、寒い夜、街から野原へ出て、次々に出会う人たちに自分の持っているものを与え続け、ついには服一枚も身につけるものがなくなってしまう。そして、空を見上げると、空に輝く星が無数の銀貨となって降ってくる。そんな話だ。キリスト教の「報い…

透明な全体

トルコにあるギリシャ文明の遺跡を訪ねると イオニア式の柱を構成する円筒形の部品が 草の上にコロコロといろんな方を向いて転がっているぼくは部品を見て、在りし日の荘厳な神殿全体をイメージしながら 雲ひとつない青空を見上げる「部分は全体のためにある…

旅からの帰宅

しばらく旅に出ていたら すっかりこの家のことを忘れてしまっていたらしい入った瞬間、初めて来たかのような新鮮さを感じたのだそうか、私はこんな家に住んでいたのか・・・ 手ぶらだけれど、旅先の世界をしっかり持ち帰ってきたのだろうその世界の視点を通して…

・・・のようなお店 1

例えば、ヨーロッパのある町のような店を日本のどこかへつくりたい、というご要望をいただいたとしたら、その町の写真を集めてそのコピーをつくるしかないのだろうか?ディズニーランドのように表面だけを装って、裏にはなにもない、一見そっくりな町をつく…

店舗デザイン業界

この業界の問題は、全体的にプライドが低い、ということに尽きるだろう。これは日本のどの業界にもいえることかもしれないけれど。コンペという名の下に、デザイン提案させられて、選ばれなければ全くお金が入ってこない、ということを延々と繰り返す会社が…

REW-ENの撮影

広角の16ミリレンズを準備して、REW-ENの撮影に臨んだ。明るいF2単焦点レンズ。ぼかしを有効に使いたかったのだが、暗いため、ピントを合わせるのが難しく、結果はあまりよくなかった。それでも、この一枚などは悪くない。なにごとも勉強だ。 ← 創造性の連鎖…

commune 246

小さな出店がひしめき合う、表参道のcommune 246。一等地にこんな空間がある、ということに、ぼくは心地よさを感じる。だが、どの店も経営的には大変そうだ。集まる人の数が足りない気がする。このような草の根的な場所に、人を動員するアイディアを、今の日…

自分であろうとするクライアント

自分であろうとすること自体、良いことだと思うが、プロとして空間づくりを任せてほしい気持ちは大きい。そうでなければ、実力を存分に発揮することができない場合もある。最近は、自分というものが強くて、かつ、任せない人が増えてきている。ならば、一緒…

神社参り

朝早く、乃木神社へ行って、手を合わせる。背筋がすうっと伸び、天とのつながりを感じられる瞬間だ。先祖やお世話になった故人の顔が、脳裏に浮かぶ。そう、まるで降りてきたかのように。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで…

JAXA

つくばの宇宙航空研究開発機構へ。管制室を見せていただく。宇宙と地球をつなぐ技術の粋がここに集まっているのだろう。人工衛星との交信。私も子供の頃に憧れた仕事だ。意識の広がり。つまり、外部がある、ということを常に頭に置いておくこと。それは、宇…

陽向が部屋にある7個のイスを集めて、正三角形のかたちに並べた。どうやら船の舳先をつくったつもりらしい。「みんな船に乗れ!」という。床にはクリップをつけた紙の魚がばらまかれ、磁石で魚釣りだ。結構、海の上にいるような気持ちになってくる。寝る前…

暗闇の中の跳躍

暗闇の中の跳躍(クリプキ)、という言葉のイメージが好きだ。安定的な関係など、初めからありはしない。まずは、価値を信じて、つくってみる。それが受け入れられて、人と関係をつくれるかどうかは、誰にもわからない。今日も、暗闇へ向けて思い切り跳躍する…

熱心

陽向と同じクラスで盛大にクリスマス会が行われた。いつもこのような会の準備をしてくださる親たちには、頭が下がる。ぼくらにはできないなあ、といつも思う。このようなイベント事に並々ならぬエネルギーを注ぎ込むことへ、ぼくら夫婦は少なくとも憧れの念…

フランスの魅力

フランス好きのその人は、先日のパリのISテロに対して、フランスで行われているアラブ人に対する差別やISに対する空爆を強烈に非難した。そんな嫌な部分も含めて、フランスが好きだ、という。自分に対して正直に生きようとする国民性、ということだろう…

見放される

神に見放される、という言葉から思い浮かぶのは、いつも旧約聖書のヨブ記だ。神に見放されたかのような人生は無数に在り、ヨブはその象徴的な存在としての役割を担ってきただろう。ヨブはひたすら耐えることによって、幸福を与えられて話は終わる。新しい家…

コート

今年も厚手のコートを着始める時期になった。ぼくのコートはすでに6年目を迎えた。ほつれや破れが目立ってきたが、まだまだお気に入りだ。そのように着れる服が理想だった。ぼくは理想の一枚に出会ったのだ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッド…

かわうその祭り

人間たちの自然破壊によって絶滅した、 とされているカワウソたちは 実は人間たちの知らないところで生きていたもともと人に化けることが得意な動物だ 身を隠すのはむずかしいことじゃない人間に化けたカワウソは数こそ少なくなったが、 日本中に散らばって…