gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2014.12

2014年

2014年。グリッドフレームとしては、輝きを放つことができた年だった、という思いがある。ぼくらは、もうひとつのリアリティをつくりだす空間アーティスト集団だ。店舗空間である以上は、エンターテイメント性も要求されるが、12月29日にも書いたよ…

水面

心の水面にさざ波が立っていると、内面から何かを生み出すことは難しい。だから、ぼくはいわゆる歩きながら考えるタイプではない。止まって考える。そうでなければ結果は出せない。歩くときは、できる限り周囲を見ることにしている。その中で、何か考えるヒ…

もう一つのリアリティ

例えば、映画や本で拷問のシーンに遭遇すると、鳥肌が立つ。そこで誰かが傷つけられると、自分が傷ついたようにどこかで痛みを感じる。それは、もう一つのリアルな体験といってもいいかもしれない。ぼくらがおそらく一生の中で体験しないであろうことが、戦…

東京の臨海地区

今日は海の方へ行ってみよう、と乃木坂からランニングを始める。銀座・築地の雑踏を抜けて、勝鬨のマンション群。豊洲方面へ橋を渡る。晴海から東雲へ。新木場を過ぎて、もうすぐ江戸川を渡る。葛西臨海公園の噴水。年の瀬は空の道も混雑する・・・なんてことは…

out of style

out of styleの広瀬さんと久しぶりにお会いした。http://www.1938.jp/outofstyle/ぼくらが社会の中で「創造性の連鎖」の輪を広げていくために、キーとなるのは「ぼくらが独自にどのように素材の幅を広げていけるか」という課題だとぼくは考えている。ぼくと…

美容室 HoekHoek

ぼくらは一生のうちにどのくらいの数の本を読むことができるだろう?たぶん図書館にある本の中のほとんどは、 ぼくにとっては背表紙を拝むだけの存在にすぎないそれぞれの本はその内に秘めた世界を持ち、 読まれることによって初めて世界を開示する本を印刷…

ブルー

この季節にデザインする空間のパースにブルーを用いることは少ない。ただでさえ寒いのに、寒そうな空間を描きたくないからだ。夏に、赤を使うのも少ないかもしれない。空間は一年中、そこにあるのにね。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレー…

映画 Once upon a time in America

1984年。ロバート・デ・ニーロ主演。ぼくが大学へ入学した年にヒットした映画だ。もう、ずいぶん前のことのように感じる。二重に「Once upon a time」という気がする。禁酒法時代のニューヨークのギャングたちの抗争。逃げるようにニューヨークを離れた…

映画 ANGEL-A

2005年。リュック・ベッソン監督。借金の返済期限が48時間後に迫ったのに返すあてのないアンドレ。返せなければギャングに殺されてしまうかもしれず、進退窮まったアンドレはアレクサンドル3世橋に向かい、セーヌ川へ飛び込もうとする。しかしその時、長…

映画 コンスタンティン

2005年。アメリカ。この世は、天国・人間界・地獄の3つの世界に別けられている。それぞれの住人が別の世界へと自由に行き来することを禁じられることで、均衡が保たれている、という。だが、地獄界から人間界へ悪魔が侵入していることに気づいた悪魔祓い…

関係

空間とは、物と物の間にある空気のことをいうのだから、つまり関係のことをいうのだと学生のときに教わった。失敗している店舗空間の代表的なものは、「関係」を感じられない空間である。例えば、スカスカした印象の空間は、ある要素に関係する、別の要素が…

手描きの空間

ぼくはパースの線を手で描くことにしているが、それは手で描く線のゆらぎを空間に反映したいという想いからだ。昨日お越しになったクライアントは、バーの看板に使う手描きのスケッチをお持ちくださった。そうそう、このようなスケッチが空間の世界観を即座…

甲州屋

40年以上も経った、時間がつくりだした重厚な空間が取り壊しに決まり、新しい店舗へ。老舗が新しい時間を刻んでいく空間は、どのようにあるべきか。その一つの方法は、この老舗を担う人たちに焦点を当てることだ、と考えた。その人たちがもっとも活き活き…

映画 ペパーミントキャンディー

2000年。イ・チャンドン監督。1999年、主人公は列車の前に立ちはだかり、自殺する。20年の時が、純粋だった若者をどのように変えていったか、を数年ずつ遡りながら辿っていく。遡行する、とは、原因を求めることだ。結果のみを見せられて戸惑う観…

BARnik TOKYO

(photo by Masato Yamazaki)私たちが摂取する食料を宇宙から探す、という認識は、地球上も宇宙の中にある限り、間違っていない。今後、食料を得るために地球から外へ出ることだって、考えられないことではないだろう。それを、悲観的に見る必要は全くない。…

下吉田

富士山の麓、富士吉田市に、地元や外からやってきたクリエイターが集まる場所をつくろう、というコンペに参加した。今日は提出日。ぎりぎりまで時間がかかって、宅配便に間に合わなかったため、現地まで列車で2時間以上かけて提出してきた。昨夜はほとんど…

視点

上下・前後・左右。3次元の座標の任意の点を視点が移動するような空間は、バーチャルにはあっても、現実には少ない。現実にそのような視点をとれるのは、ハエ・ハチ・トンボなどの虫くらいだ。特に、トンボは、空間で静止できるのがちょっとうらやましい。…

こもりつつ、見られる

ぼくは、学生時代からずっと、自分が考えるための空間の条件について考えてきた。その答えが、一般的なものかどうかわからないが、確信をもって言えることがひとつある。それは、勉強や仕事に集中するためには、どこかに他人の目が必要だ、ということだ。だ…

DECO CHOCO

(photo by Harumi Takai)渋谷・スペイン坂にDECO CHOCOが完成した。いつものグリッドフレームとは一味も二味も違うプロジェクトだったが、担当の008は、クライアントと意気投合してノリノリだった。こんな物件もよいな、と。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗…

繁華街

金曜の夜、ルートを決めずにランニングに出かける。交差点では、止まらないように青信号の方を必ず渡るようにすると、思いも寄らぬ方向へ進んでいくのが愉しい。今夜は、四谷、市谷、神楽坂、飯田橋、小川町、水道橋、再び飯田橋、大手町、日比谷、新橋、虎…

年末

もう年末になっていることを、今日まで気づかなかった。ふっと顔を上げると、カレンダーはもう最後の一枚になっている。今年もそんな感じ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス← 未来…

限界

六本木ミッドタウンには、ちょうど100mくらいの長さの急な坂がある。その坂で、マラソンの本に書いてある、登り坂100mダッシュを10本走ってみた。きつい。なんとか走り終えて、家まで歩いて帰ったが、玄関で倒れこむ。しばらく起き上がれない。ちょっと吐き…

自信

どんなにできることを全部やったとしても、最後はいつも天に任せるしかない。未来を保証されているように見える人がいても、そう見えるだけでぼくらは概して同じ条件のもとに生きている。だれもが、最後の最後は天に任せるしかない。いつかはある程度、自分…

転がるように

下り坂は転がるように走れ、とマラソン本に書いてある。本当に転がりそうで怖いが、前傾姿勢で駆け下りてみる。確かに、足への負担は、のけぞって走るよりも格段に小さいが、度胸は必要だ。どんなスポーツも、ある程度やっていくと、度胸を必要とする領域に…

映画 夢売るふたり

2012年。西川美和監督。5年間二人でやってきた小さな居酒屋を火事で失った夫婦が、もう一度店を持つために、数々の結婚詐欺を企てる。きっかけは酔った勢いで浮気をした夫に対する妻の嫉妬だった。妻は夫に与える罰として、結婚詐欺をやらせることを選…

スタッフ紹介

HPのスタッフ紹介画像を全部更新した。http://www.gridframe.co.jp/people/つくり手たちの会社、という雰囲気を伝えるために、010がひとりひとり撮影し、それぞれの特徴に合わせてつくったイメージだ。上の写真は、010が自信作だと言っている、00…

追い込む

マラソンの本には、「追い込む」という言葉が頻用される。「坂道を全力で駆け上ることをくりかえして追い込む」など、強い負担を自分の体に課すときに使われる。もちろん、自分で自分を追い込むのだ。マラソン以外でも、全てにおいて、自分を追い込むことが…

内省

競技場の真ん中で闘っている人たちを観ているつもりが、気がつけば自分が闘いの中にいるのが人生。そして、自分が闘いの中にいるはずが、気がつけば競技場の真ん中で闘っている人たちを観ているのも人生だ。内へ内へとつきつめていって、小さな箱の中になん…

BARnik TOKYO

人間ひとりひとりを中心として、無限に広がる宇宙。そこから、体によいものを選んで、口へ運ぶことによって、だれもが生きている。私たちは宇宙をさまよい、今日も体によいものを探している。そして、可能性を秘めた物体を見つけては、その成分を調査する。…

くりかえす

同じ話を何度もくりかえす人がいる。(無意識だが、ぼくもどうやら、そのうちの一人だ。)聴いている方はうんざりするかもしれないが、話す方にとっては、同じ話をしているようでいて、そのときそのときで新しいのだ。だから、よく聴いてみると、さっきとは…